'08 大統領選 RACE 選挙と人種が映すアメリカ

朝日新聞記者を経てUCLAとUCバークレー大学院でアメリカ黒人研究を専攻、修士号。ロサンゼルスを拠点にオバマとヒラリーの対決を取材中。2008年アメリカ大統領選(レース)を人種(レイス)で読み解く。

「王国の日」に見る夢

LAダウンタウンの南、通称「サウス・セントラル」はカリフォルニアで最も黒人人口が集中する地区だ。高級住宅地ボールドウィン・ヒルズ、西海岸のハーレムと呼ばれるラマート・パーク、92年暴動の爪痕が今も残るクレンショウなど、大小のコミュニティーが広がる。ここに住む黒人たちは1月第3月曜のキング牧師の祝日を、誇りを込めて「キングダム・デー(王国の日)」と呼ぶ。合い言葉は「Make it a day on, not a day off」。単なる「休日」ではなく、むしろ、キングの遺志を継いで「働く」日だ。キングの名がついた大通り約2・3マイルを様々な団体がパレードする。
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フェミニズムの「白い」顔

1月8日、ニューハンプシャーでヒラリーがオバマを2%差でかわして勝利した要因は、女性票だった。ヒラリーは女性票の46%を獲得し、オバマの34%を引き離した。5日前のアイオワで女性の35%がオバマに投票し、ヒラリーは30%しか取れなかったことを考えると、短期間での大逆転だ。オバマの得票率は一定していることから、投票に行くかどうかすら決めていなかった女性たちが土壇場で立ち上がり、ヒラリーを押し上げたとも読める。ヒラリーは勝利演説で、小旗を振って熱狂する支持者に向かって両腕を広げた。「ありがとう。この1週間あなたたちの声に耳を傾けました。その過程で、私は自分の声を見つけたのです(I found my own voice)」
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アイオワの「歴史的」な夜

黒人解放運動指導者マーティン・ルーサー・キング牧師が残した印象的なスピーチがある。有名な「I have a dream(私には夢がある)」ではない。1968年4月3日夜、テネシー州メンフィスの黒人労働者のストライキ集会で行った「I've been to the mountaintop(私はその山の頂に登った)」だ。黒人の尊厳と人種の融和を訴え、アメリカの理想を喚起する演説はこう始まる。Something is happening in Memphis(メンフィスで今、何かが起きている)。
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